前回の記事では空想地図について紹介しました。今回は、空想地図と私との関わりについて時系列に沿ってお話ししたいと思います。
前回の記事はこちらからどうぞ。
空想地図と私(概要)
空想地図と私の関わりについて最初に全体像を知ってもらったほうが分かりやすいと思いますので、簡単な時系列にまとめました。まずはこちらをご覧ください。
- 幼児期空想地図が好きになったルーツ
・車や電車からの車窓 ・道路案内標識や路線図への興味
- 小学生空想地図のはじまり
・お絵描き帳への落書き ・初めてまちを描いた図画工作
- 中学生・高校生広がる空想地図の世界
・友だちへの普及 ・空想都市中村市との出会い
- 大学生空想地図から遠ざかってしまった時代
・都市や交通の計画の専攻 ・全国各地のまち歩き
- 現在空想地図の創作意欲が再燃
・現実に地図に残る仕事から空想地図へと思いを馳せる
空想地図と私(詳細)
全体像を知ってもらったところで、その時々の詳細についてお話したいと思います。思い出を綴った文章がほとんどですが、気楽に読んでいただけると嬉しいです。
幼児期
幼児期の私は、まだ空想地図を描いていませんでした。しかし、車で出かけたときはいつも車窓を眺め、映り変わるまちの風景、行き先が表示された青色や緑色の道路案内標識などに興味を惹かれていました。また、電車で出かけたときも同様で、車窓からはまちの風景、駅では路線図が描かれた運賃表などを見ていた記憶があります。
子どもの頃からまちの風景だけでなく案内標識や路線図にも興味を持っていたことから、今思えば私が空想地図が好きなルーツは幼児期にあったと言えるでしょう。案内標識や路線図に書かれた漢字はまだ読めませんでしたが、付記されているローマ字は辛うじて読めたので、どんなまちなんだろうと想像を働かせていました。
小学生
小学生の低学年の頃は、学校の中で自由帳にお絵描きをする時間が多くありました。周りの友だちは好きなキャラクターやオリジナルのポケモンなどを描いていました。私もそうしたものを描くこともありましたが、まちで見た道路案内標識や路線図のほか、緻密な迷路も描いていました。これには純粋に描きたかったという気持ちと、私の描く絵があまり上手でなかったことが関係していると思います。
高学年になると、図画工作の時間に自分の住むまちの未来の姿を描くという授業がありました。それまで案内標識や路線図、地図に通ずる迷路とまちの個別パーツばかりを描いていた私ですが、このときがまち全体を俯瞰して描いた空想地図だったと思います。(厳密には鳥観図のような立体的なものなので、初めに見ていただいた平面的な空想地図とは違うかもしれませんが。)図画工作があまり得意ではなかった私ですが、この時ばかりはすごく熱中して描いていたことを今でも覚えています。
また、この授業のときに先生がシムシティをイメージして絵を描くと良いと言っていました。ほとんどのクラスメイトはシムシティを知らず私もその1人でしたが、話を聞いたその日の放課後にお小遣いを握りしめてゲームショップに行き、シムシティDSを購入しました。自分だけのまちを創れることにすごく興奮して、当時熱中したことを覚えています。
中学生・高校生
中学生の頃は、退屈な授業中にノートの片隅などにこっそりと空想地図を描くようになりました。ノートに描いている分には普通に授業を受けているように見えるので、授業中の暇つぶしにはちょうど良かったのです。授業中にゲームをしていて先生に没収されている友だちもいましたが、空想地図を描いているところは先生に一度もばれたことがないです。一方で、空想地図を描いていることは友だちにも内緒にしていたのですが、ノートを貸した際にばれてしまいました。でもその友だちは空想地図に興味を持って、しばらく空想の路線図を描いたりして楽しんでいました。
高校生のときのある日のことです。フジテレビのアウト×デラックスという番組を見て、前回の記事で紹介した地理人様の「空想都市へ行こう!」の空想地図が取り上げられていました。その凄さに地図が大好きなマツコ・デラックスさんも驚いていたのですが、番組を見ていた私もとてつもない衝撃を受けました。私と同じようなことをしている人がいるという衝撃、空想地図でこんなに緻密なものを描けるという衝撃でした。それ以降、定期的に地理人様のサイトを見るようになりましたが、中村市が実在する都市であるかと見紛うほどの描きっぷりには、見る度に感銘を受けています。
大学生
大学では、都市や交通の計画について専攻しました。大学生は比較的時間があるので中村市のような緻密な空想地図やそれを発信するためのサイトを創りたいと思っていたのですが、思いのほか本業が忙しく手をつけられない時間を過ごしてしまいました。その分、日本全国を旅行して各地のまちなみを見て回ったので、地理感は養われたのではないかと思います。
現在
現在は縁あって、いわゆる地図に残る仕事を生業としています。現実でそういう仕事をしていると、まちの成り立ちなどについて考える機会が多くなり、空想地図へ思いを馳せることが増えてきました。残念ながら大学生のときよりも忙しい日々を送っていますが、いつか私も中村市のような空想地図を創って発信していきたいと思っています。
そのときにはもちろんこのサイトでも紹介しますし、もしかしたらこのサイト自体がそのページに様変わりしているかもしれません。長らくお待たせすることになると思いますが、1人でも多くの方が楽しみにしていただけると励みになります。